三度の飯より酒が好き

お酒とおつまみについて雑多に。

泡盛の炭酸割りと映画の字幕と吹き替えについて

泡盛の炭酸割りは美味い。昨日初めて試したが、なかなか美味しかった。今日もまだ炭酸が残っているので、炭酸割りを楽しもうと思っている。

しかしながら、つまみに悩んでいる。昨日はあり合わせて鶏肉をトマトジュースで煮込んだブツにしたが、今日は鶏肉はない。というより、冷蔵庫に食べられるものが殆どない。卵だけで何とかならないものか、と考える程度にはものぐさである。

 

以下は残り物の鶏肉トマトジュース煮込みを食べながらぼんやりと考えた独り言である。

 

先日名探偵ピカチュウを見た。感想については至る所で諸処言われているので省略して、私はとても楽しめたということをまず言っておく。

今回の主題はそれではなく、字幕と吹き替えの話。Twitterのあちらこちらで見かけた話題だ。

私は名探偵ピカチュウを字幕で見た。これは私の希望ではなく、誘ってくれた友人が字幕を選択したからである。私個人としてはどちらでも良かった。字幕には字幕の良さ、吹き替えには吹き替えの良さがある。そこに強いこだわりはない。

字幕の良さは、台詞・状況を簡単に理解できるところだと思っている。字幕は文章を瞬間的に理解させるため、文字数に制限があると聞く。限られた文字数で、今喋った人物が何を言っているかを視聴者に理解させる必要がある。これは実に高度な技術だ。文章が冗長になりがちな私にはとても出来ない。

吹き替えの良さは、文章を長く使えることによる表現の幅広さだ。字幕では削られてしまうような表現を、吹き替えでは使う事ができる。これは大きなメリットだ。言葉の美しさを表現できるのは、吹き替えのほうだろう。

それぞれデメリットも勿論ある。

字幕のデメリットは使える文字数が限られている為、表現が削られるし、文章に集中すると細かいシーンを見逃す可能性もある。また、言い争いのシーンなど、登場人物達がワアワアとわめき立てるようなシーンでは字幕に表示されない台詞が多くなる。何か罵詈雑言をまくし立てているのだろう、と推測するしかなくなるのだ。物語に深く入り込みたい人には、どれも大きなデメリットだ。

吹き替えのデメリットは、有名作品では声の演技に慣れて居ない俳優・女優が起用されがちなこと、台詞にどんな意味があったのかを理解するのに時間がかかる可能性があること、ごく稀に違和感が多い表現になることである。声の演技に慣れて居ないが故の違和感は、Twitterでも多く話題にのぼっていた。というより、これが主題だった。また、多様な表現が出来ると言うことは、それだけ理解に時間がかかる可能性があるということだ。名探偵ピカチュウはミステリーに重きを置いた話ではなかった(と思っている)為、これは問題にはならないだろう。だが、もっと本格的なミステリー作品では視聴者が置いてけぼりになる可能性がある。そんな作品を置いてけぼりになるような視聴者が観るかどうかはさておき。

ごく稀の違和感については、私が過去直面した問題である。パシフィック・リムだ。この作品の字幕版では、片言の日本語で会話するシーンが幾つか存在する。これらは全て、吹き替え版ではなくなっているのだ。私が最初に観たのは字幕版だった為、あとから観た吹き替え版に違和感を覚えた。この作品では吹き替えは本職の方が担当し、演技には違和感がないのにも関わらず、である。

 

私は名探偵ピカチュウの字幕版を観て、字幕になっていない部分の台詞を知るため吹き替え版を観たいと思った。そうすることによってもっと楽しめるだろうと思ったからである。

演技の違和感はあるのかもしれない。私はアニメもゲームも嗜むので、本職の方の演技に耳が慣れている。しかしながら、それは大きな問題ではない。私が知りたいのは字幕にならなかった台詞がどういったものだったのか、であり、それ以外はささいな事なのだ。

つまりは観る人が何を楽しみたいかである。違和感を覚えることなく没入したい、と言うのであれば字幕だろう。多少違和感を覚えても隅々まで楽しみたい(字幕に目をやる時間を減らしたい)のであれば吹き替えだ。どっちも一長一短なのである。

 

余談だが、違和感がある演技が重要とされた作品がある。ジブリ風立ちぬだ。主人公を演じた方はアニメ監督であり、声優ではない。予告などを観たときは違和感があったが、本編をみるとその違和感が映画の雰囲気にぴったりだった、というケースだ。これは観て確かめて欲しい。

また、字幕にも表現、言い回しが重要だとされた作品がある。フルメタル・ジャケットだ。これは監督自ら字幕を再翻訳して確認するという徹底ぶりだったそうだ。そのため、最初の翻訳ではハートマン軍曹の罵詈雑言がお綺麗すぎたらしい。翻訳家を変更して再度翻訳が行われたという。フルメタル・ジャケットに吹き替え版はないため、皆字幕版を観ることになるというのはさておき。

私はこの二つしか代表例を知らないが、調べればもっと出てくるのだろう。そう言えば、名探偵ピカチュウピカチュウカフェイン中毒と言われていたが、アレは誰がカフェイン中毒だったのだろうか。吹き替え版を観れば分かるのかもしれない。